生理日を移動するのは可能？早めることも出来る

受験日や仕事で休めない日、彼との旅行日など、ここ一番のタイミングに生理が重なることを避けたい女性は多いのではないでしょうか。
ですが「生理よ、来ないでくれ」と思っているときに限って、生理は来てしまうもの。生理特有の不快感を抱えたまま、大切な日を迎えるのは……。

実は、生理日を移動することができるのをご存知ですか？　生理日を早めたりすることができれば、大事なイベントを安心して迎えることができるようになります。

今回は生理日を移動することが可能であることと、早めたり遅めたりするやり方をご紹介します。

生理日は移動できる

「生理は毎月来る、煩わしいもの」。そういう印象を抱いている女性は、多いのではないでしょうか。
実際、女性の精神面や身体面のコンディションに大きな影響を与えています。

2014年ホルモンケア推進プロジェクトがおこなった調査によれば「生理がはじまる前の1週間余りは、仕事の集中力が落ちたり、イライラしたり、やたらと不安やうつ傾向が強くなったり、眠気が強くなったりする月経前症候群（PMS）に悩まされている女性が約60％にも及ぶ」ことが分かっています。

そのため「永遠に生理なんてこなくていい」と思っている女性は多いはず。
そんな方は、大事な日の前に生理日は移動できることを知っておくだけでも心が楽になるのではないでしょうか。

ピルを服用して、生理日を移動しよう

自分の予定に合わせて生理の時期をずらすには、2つの女性ホルモン（エストロゲンとプロゲステロン）を組み合わせたホルモン剤を使います。
これは婦人科で処方される錠剤で、一般的に「ピル」と呼ばれています。

ピルで生理日を移動することができるのは、女性ホルモンを外から入れることで脳に「妊娠している」と勘違いさせることができるから。一時的に排卵を抑えることができるのです。排卵が抑えられていると子宮内膜も厚くならないため、月経も起こりません。
ピルの服用をやめると、数日後に出血が起きるという形なのです。

「え、ピルは避妊薬じゃないの？」とお思いの方もおられるでしょう。「妊娠しにくくなると聞いたことがある」と利用を遠ざけている人もいるほどです。

国連が2013年に発表した、各国の経口避妊薬(低用量ピル)の使用率調査でも、フランス・オランダ・ドイツとヨーロッパ圏の国では40％近い女性が使用しているにもかかわらず、日本での普及率は3.5％と30人に1人が服用しているかどうかの数字となっています。

ですが、東京歯科大学市川総合病院産婦人科の小川真里子准教授によれば「ピルを飲むのをやめたら、月経は1、2カ月でもとに戻り、妊娠は可能です。また、卵巣がんや子宮体がんのリスクが減ることがわかっています」と話しており、ただ「怖そうなもの」として避けている女性が多いのではないでしょうか。

生理日を早めるには？

低用量ピルは28日周期が基本になっています。
一般的に多く処方されている『ヤーズ配合錠』にはピンク色の実薬が24日分、白色の休薬（ホルモン剤などが入っておらず、飲み忘れを防ぐために入っている）は4日分となっています。「実薬は最低14日飲めば休薬に入っても避妊効果に影響はない」とされており、白色の休薬期間に生理がくる形になっています。
つまり、14日分の実薬を飲んだ翌日からピルの服用をお休みする形をとれば、予定より1週間生理を早めることができるのです。そして、生理が来たら新しいシートを飲み始めるようにすると、常に生理が1週間早くくるサイクルを維持できますし、生理が来てから7日後に飲み始めればいつもどおりの生理周期になる仕組みとなっています。

また、低用量ピルではなく、中用量ピルを使う方法もあります。ずらしたい生理の１サイクル前の5日目から中用量ピルを服用し、10日ほどで飲むのをやめるのです。すると、服用中止後数日で生理がくるので、予定の生理を早めることができます。
生理から少し間が空いてしまっていても、10日間程度ピルを服用する期間を作ることができるのであれば、概ね生理を早めに起こすことは可能と言われているのです。

ただ生理を早めたい場合は、事前に予定が分かっている必要があり、かなり早めに飲み始める必要があります。
ずらしたい生理のひとつ前の生理中にレディースクリニックを受診する必要があるため、普段からピルを服用していない方や「すぐに早めたい！」という方には難しいかもしれません。

生理日を遅らせるには？

生理が来そうな日のおよそ5日前から飲み始め、生理をさけたい日まで1日1錠、低用量ピルを服用する方法です。
ピルを飲んでいる間は生理がこないので、大事な日を避けることができ、ピルを飲み終えてから2～3日で生理が来るという形です。移動させることができるのは長くても10日間程度。
生理日を変えてしまったからといって、その後の生理周期まで狂ってしまうものではなく、変更した生理日から1ヵ月後にちゃんと生理はやってきます。
ですが、この方法では生理がいつ来るのかが分かっていないといけませんし、生理日を早めるのと同じである程度先の予定が分かっていないと厳しいもの。

あまりオススメできませんが「どうしても生理日を遅らせたい」という方は、生理が来てほしくない日より前で、生理がくるできるだけ早めの日から中用量ピルを1日1錠飲む方法もあります。
中用量ピルを飲み続けている間は生理がこないので、生理が来てもいい日まで飲み続ければ生理を遅らせることができるのです。

ただ、ピルを飲み始める時期によっては生理を遅らせるのが間に合わなかったり、吐き気や頭痛などの副作用が起きたりすることもあるので、「5日前」というのが生理延長にできる最終リミットと考え、可能であればもっと早い時点で開始しておくようにしましょう。

大切な日のためにも「生理日は移動できる」と知っておこう

大切な日のために、ピルを使えば生理日が移動できることをお分かりいただけたでしょうか？
ですが、頻繁に生理日を移動させるのは体にも負担をかけることになりかねません。頻繁に調整する必要があるなら、日頃から低用量ピルを飲んでおくことをオススメします。
そうすれば、手軽で確実に調整することができるからです。生理日の把握もしやすくなるので、気持ちにも余裕が生まれるのではないでしょうか？　ぜひ、検討してみてくださいね。